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尾形 毅*; 竹下 健二*; 緒明 博*; 稲葉 優介*; 森 敦紀*; 松村 達郎; 中野 義夫*
no journal, ,
N,N,N',N'-tetrakis(2-pyridylmethyl)ethylenediamine(TPEN)は、包接型の六座窒素ドナー配位子として知られており、Am(III)とEu(III)のわずかなソフト性の違いを認識することが確認されている。われわれは、TPENのこの特徴を活かした新規な抽出クロマト剤の合成を試みた。配位子の分子の自由度を維持しつつ、流出を防止する保持材として、高分子ゲルの使用が期待される。TPENのピリジル基に重合可能な官能基を結合させた誘導体であるN,N,N',N'-tetrakis-(4-propenyloxy-2-pyridylmethyl)ethylenediamine(TPPEN)をN-isopropylacrylamide(NIPA)の架橋剤として使用して重合し、高分子ゲルを合成した。さらに、多孔質シリカをTPPEN-NIPAゲルの機械的強度を向上させるために使用した。この抽出クロマト剤に関するAm(III)とEu(III)の分離性能試験を実施中である。発表では、この抽出クロマト剤の特性と抽出能力について述べる。
小林 徹; 鈴木 伸一; 池田 篤史; 塩飽 秀啓; 岡本 芳浩; 阿久津 和宏; 矢板 毅
no journal, ,
特定のアクチノイドを分離・抽出できるイオン認識化合物の創製は、核燃料サイクルにおける分離技術や放射性廃棄物の除染技術の開発などに関連する重要なテーマである。本研究では、ハードドナーとソフトドナーの組合せに着目し、新規へテロドナー配位子PTAを開発し、そのアクチノイド抽出特性を検討した。その結果、PTAは高い酸濃度領域においても優れたアクチノイド抽出・分離能を示すことが明らかとなった。また、錯体の単結晶X線結晶構造解析や放射光XAFS,分光滴定実験によりPTAの錯形成特性を検討した結果、酸素ドナーが金属イオンと強く相互作用することにより、酸性条件下での錯形成能が大きく向上していることが明らかになった。